代表インタビュー

助産師として地域に出ることを決めた

みのおママの学校を設立したきっかけを教えてください

助産師だからできることがあります。
特に、妊娠・出産・産後(0~1歳くらいまでの時期)は、助産師が産前産後ケアの専門家として最も力を発揮できるところだと思っています。
ママになるための心の準備や身体づくりなど、命を授かる前から女性をサポートし、妊娠・出産と一番近くにいられる職種です。
そして、子どもが育っていく上で大切な、乳幼児期(身体と心のベースがつくられる)にもかかわることができます。
その時期って、ママにとっても子どもにとっても一番大切だと思うんです。

ただ、そんな大切な時期にママをサポートする環境が今の日本では整っていません。
子育て支援が後追いになっている気がしています。
上流で溺れて流れてきたところを下流で救うのではなく、上流で溺れないようにサポートできたら本当はいいですよね。
妊娠・出産・産後と女性はいろんな意味で大きく変化します。

そんな時に、女性自身がもっと自分の身体や心と向き合い、自分を大切にすることができれば、この大きな変化も乗り越えていける力は本来あると信じています。
そのためには女性にそっと寄り添いながら、必要な時に必要なサポートをできる存在が助産師だと思っています。
女性にとって一人ひとりにかかりつけの助産師がいたらいいですね。
何かあったら頼ってもらえる存在。そして母として育っていく女性に寄り添い共に「大きくなったねえ」ってこどもの成長を喜び見守れる存在になれたら嬉しいです。

そのためにはできるだけママの近くで、できるだけ継続して寄り添うことが必要です。
そんな想いをカタチにするために、2016年4月にみのおママの学校を立ち上げました。

今でも、勤務助産師をされているとお聞きしました。

助産師として、市民病院と個人クリニックに勤務して、今年で20年になります。
助産師という仕事が大好きなので、クリニックをやめる選択肢はありません。
今でも週に数日はクリニックに勤務してお産の現場にいます。いつもママや赤ちゃんからたくさんのパワーをいただいています。

地域で活動をするようになってから何か変わったことはありますか?

病院やクリニックなどの施設では、様々な理由があり、産前産後の継続ケアを行うことが簡単ではありません。
私自身も「もっと早くにこのママに関わりたかった」とか、「このママには退院した後にもサポートが必要なのに」という思いをたくさんしてきました。
ただ今は、地域で実際にママの悩みや困りごとを知ることで、施設で出会うママに対しても、短い関わりの中で、より具体的なアドバイスや対応ができるようになりました。

いろいろな気づきがあった1年目

1年目はどのような活動をされてきたのでしょうか?

子育てママが日々の育児のちょっとした悩みや不安を解消できる、気軽にいける場が地域にあればいいなと思いました。
そこで、ママや赤ちゃんに優しいカフェなどに産前産後のママが集まって、助産師にいろいろな相談ができる〈じょさんカフェ〉というサービスを始めました。
もちろん、相談だけではなく、ママ同士の繋がりができたり、癒されたり、たくさんの効果が期待できるサービスです。

なぜ、そのようなサービスを始めようと思ったのですか?

私たちのミッションは、日本の子育て環境を変えることです。
子育てママの近くにいつも助産師の存在があり、いつでも気軽に相談ができるこのサービスが広がることで、ママにやさしい新しい日本の子育て環境をつくりたいと思いました。

活動は、上手くいったのでしょうか?

じょさんしカフェに参加されたママからの反応はとてもよく、大きなニーズを感じることができました。
私たちとしても、すごくやりがいを感じることができ、とても価値のあるサービスだと思っています。
ただ、このサービスを全国の助産師さんが同じようなスタイルで行うことは少し難しいと感じました。(自分たちが継続するだけなら可能なのですが)

というのも、やはり会場となるカフェとの温度差はあるんです。
これは、決して、悪い意味じゃなく、同じ空間でお互いのサービスをマッチさせる難しさというか・・・。
ここは実際に1年間やってみてわかったことです。

今後、じょさんしカフェはどうされるのでしょうか?

一旦カフェと提携するスタイルは見直します。
これからは、自分たちの拠点を中心にサービスを継続しようと思っています。
私たちが地域で活動する取り組みのすべては、同じ想いをもつ助産師さんたちが無理せずにマネできるかどうかが基準になっています。
なぜなら、わたしたちのミッションは、自分たちの成功だけではなく、日本の子育て環境を変えることだからです。

では、話は変わります。講演活動なども多いそうですね。

今の時期は、ミッションにつながることは何でもやってみるようにしています。
他にも、雑誌の連載やラジオ番組などもさせていただいていますが、毎回多くの学びがあります。
人前で話をすることはとても好きなのですが、講演会が続くとちょっと大変です。笑

実際に地域に出てみて何か感じたことはありますか?

ひとつは、想いをもって行動すれば、応援してくれる人たちがたくさんいるということです。
いつも私たちの活動にボランティアやプロボノで関わってくれる仲間への感謝の気持ちを忘れたことはありません。
そして、実際に現場に出てみて、ママやこどもたちのために活動している素敵な団体や活動(NPO・サークル・自治体など)がたくさんあることがわかりました。
それぞれの立場や強みを生かして、地域が一体となって子育てママにやさしいまちづくりができれば最高だと思うようになりました。

わたしたちが存在する理由

今後のビジョンを教えてください。

今は、やっと準備運動が終わった。そんな気持ちです。笑
これまで1年半活動をしてみて、たくさんの素敵な出会いがあったり、地域の課題もわかりました。
いよいよここからが本番です。まずは、地元の箕面市で小さな成功事例をつくり、全国に広がる活動モデルをつくりたいと考えています。

具体的に教えていただけますか?

これから地域の中に助産院のような場所(じょさんしカフェ)をつくっていきます。
母乳ケアや施術のほか育児に悩んだ時やリフレッシュしたい時にも気軽に来ていただける場です。
さまざまなイベントや教室も開催していきたいと思っています。
地域のママにとってかかりつけの助産院のような存在になれたらいいです。

子育て支援で経営の継続は可能でしょうか?

私たちがつくりたいのは、地域が一体となって運営する助産院などのママの居場所です。
産前から継続してママにやさしく寄り添う助産師がいて、人と人がつながり、たくさんの優しさがつながり、みんなの笑顔がつながる場。
そんなママの居場所を、助産師が中心になり、企業や自治体の協力によって運営していく、そんな新しい子育て支援のカタチ(文化)をつくりたいと考えています。

今、評判になっている〈じょさんし大学〉についてもお話を聞かせください。

じょさんし大学は、一人一人の助産師が輝くことをサポートするための学びの場であり、助産師同士がリアルに繋がれる場です。
実際に地域で活躍されている助産師さんや産婦人科医などに講師になっていただき、助産師としての学びを深めたり、視野を広げるためのお話をしていただいています。
「もっとスキルアップしたい」「自分が本当にやりたいことを見つけたい」「刺激がほしい」そんな想いのある助産師さんがたくさん参加してくださり、とても素敵な学び舎になっています。
これから地域で活動したいと思っている助産師さんはもちろん、病院やクリニックでより良いケアをするために学びたいと考えている助産師さんも参加されています。
そして、この大学で学び、刺激を受けた助産師さんたちがより成長していくことで、日本の子育て環境を一緒に変えていくことができれば嬉しく思います。

最後に大切にしていることを1つだけ教えてください。

わたしたちは〈ファーストペンギンスピリッツ〉を大切にしています。
みのおママの学校のロゴはファーストペンギンです。
何かを始めるには勇気がいりますが、失敗の恐怖を使命感が上回っているわたしたちは怖いものはありません。
人生一度きり。これからも最高の仲間とやりたいことをやっていきます。
わたしたちのチャレンジは始まったばかりですが、熱い想いと行動力、つながり広がっていくたくさんのパワーで大きなミッションに向けて一歩ずつ前に進みたいと思います。
とことんハッピーでとびきりユニークに!
そしてみのおママの学校に関わってくださるすべての方が笑顔で幸せになれるように頑張ります。
応援よろしくお願いいたします!

日時:2017年8月1日
インタビュアー:Makiko Iwata

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